ヒトリゴト
海の男。
うちの家は、海の目の前。
漁師町で育って、子どもの頃から海が遊び場でした。釣りも大好きで、毎日のように海で遊んでました。
そんな自分が、3年前にまさかの展開。
引退するっていう漁師さんから、「船、譲ってやろうか?」って声をかけてもらって。
40過ぎてからだったけど、「新しいこと、始めてみるのもアリかもな」って思って、思い切って一歩踏み出しました。
とは言っても、育った町のこととはいえ、漁のことも船のこともまったくわからない状態。
船のロープの結び方さえ知らなかったんですよ。
でも、やらなきゃ始まらない。
毎朝5時過ぎには漁港に行って、漁師さんたちに教えてもらう日々が始まりました。
そんな生活が、1年ちょっと続きました。
もともと、やり出すとハマっちゃうタイプでして…。
気がつけば、毎朝が楽しみになってました。
一人の漁師さんが、黙っていろいろ気にかけてくれるようになって。
言葉はちょっと荒っぽくて、ぶっきらぼうな人だったけど、優しい人でした。
その人が亡くなって、もうすぐ2年。
心の底から「ありがとう!」って言いたい6月が私は毎年来ます。
感謝の言葉は、これでもか!っていうくらい聞いてもらえる時にたくさん伝えた方がいいね。
今年も、海の男に花を手向けてきました。
ありがとう。