ヒトリゴト
旅の余韻 Part1
男旅 DAY1
伊根の舟屋と、杉の赤身板の外壁。
伊根の舟屋を訪れると、目を引くのが家の外壁。
古い家も新しい家も、ほとんどが杉の赤身の木板でできています。
このあたりのような沿岸部では、やっぱり木の外壁が最強!
とくに杉の赤身は、耐久性・防水性・防腐性にすぐれた天然の外壁材です。
塗装もいらず、手を加えなくても一生ノーメンテナンスで持ちこたえてくれるほど。
年月とともに、表面はやわらかなシルバーグレーに変化して、なんともいい味わいに。
見た目が変わっても、木の内部まで傷むことはありません。
削れば木板の内部は新品のように蘇ります。
そして何より、この木板のすごいところは、湿度と気候に合わせて自然に働いてくれること。
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雨の日は、木が湿気を吸って膨らみ、板の隙間がなくなって雨をしっかり防ぐ。
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晴れた日は、乾いて縮み、板の隙間が通気をうながす。
この呼吸するような仕組みが、高温多湿な日本の風土にぴったりなんです。
見た目も美しく、理にかなった、日本ならではの外壁の知恵。
伊根の町並みを歩きながら、木板外壁の強さと美しさを実感しました。
木の外壁を今以上に、提案していきます!
1453km、男旅。
少し早めの夏休みをもらって、男5人旅へ出かけてきました。
高1の長男、中1の次男、小2の三男、77歳の父、そして私。
出発は三重県鈴鹿市の自宅から。
京丹後を経て、日本海側の山陰へ。そこから瀬戸内の山陽を広島から瀬戸海沿いに帰路へ。
総走行距離は1,453kmにもなる、なかなかの旅になりました。
今回の旅の目的は、一番下の子が幼い頃は、まさにコロナ禍の真っ只中。
行きたい場所もなかなか行けず、人と触れ合う機会も少なかった。
なのでチビ(末っ子)は外へ出かけて、人と話すのもちょっと苦手。
そんなわけで、少しでも外の世界に触れて、いろんな景色を見て、いろんな人と話して
「こんな世界があるんだ」と肌で感じてほしかった。
旅先では、前から気になっていた“1度は行ってみたい場所”をいくつかピックアップしながら、
その土地ならではの空気や食べもの、人とのやり取りを、みんなで楽しみました。
僕は普段、大工として家づくりに携わっていますが、
この仕事にも通じるのが「経験」の大切さ。
現場での経験、たくさんの職人との会話、住まい手それぞれの、いろんな暮らし方。
それらが積み重なって、ようやく“いい家”がつくれるようになる。
旅も同じ。
どんなに話を聞いても、本を読んでも、どんなにネットで調べても
自分の目で見て、心で感じたことには敵わない。
経験は、何よりの財産であり、最大の武器!
これにかなうものはないと思っています。
息子たちにとって、今回の旅が、ひとつの「人生の材料」になってくれたらと思います。
これから彼らは
たくさんの人と関わって
たくさん失敗して
たくさん助けてもらって
いろんな経験して
豊かな人生を送ってほしいと...
父はそう願っています。
次回は東北へ行きたいな。
蚊取り線香。
蝉の声が響きわたるようになり、いよいよ夏本番ですね。
そして、夏といえば蚊取り線香。
あの独特な香りが、ふわりと漂ってくると、「ああ、夏が来たな」と感じます。
わが家では、玄関先で蚊取り線香を焚いています。
使っている蚊やり器は「くわな鋳物」のもの。
夏が近づくと毎年のように取り出すのですが、6年目となる今年は、いい風合いが出てきて、見るたびにちょっと嬉しくなります。
季節の移ろいを感じながら暮らすこと。
間取りをプランニングする際にも、この感覚を大切にしています。
窓の外に広がる景色。
季節ごとに使う雑貨や道具を置く場所。
こうした何気ないことが、日々の暮らしを、ぐっと豊かにしてくれるのです。
とても大事なこと。
土用干し。
若松中村建築にたくさんの工務店さんが来てくれた。
若松中村建築の家づくりに、10社もの工務店さんが。
「どんな家をつくっているのか?」
「どんな想いで家づくりをしているのか?」
「扱いの難しい自然素材をどのように施工しているのか?」
そんなことに興味を持ってくださった、同業の工務店さんたちが
大阪・愛知・岐阜・滋賀から、はるばる三重までお越しくださいました。
やっぱり、来ていただいた工務店の方たちはいえづくりが大好きな方々でした(^^♪
しゃべり下手な私の話にも、真剣に耳を傾けてくださって感謝です。
おかげで、あらためて自分たちの家づくりを見つめ直す、いい機会になりました。
そして何より大切なおうちを、こころよく貸してくださったお施主さま。
本当にありがとうございました!